STC1184 イグナイター移設 クラシックレンジV8
クラシックレンジローバーV8エンジンのイグナイター(モジュール)は、ディストリビューター脇の狭い場所に付いているために、イグナイター交換が面倒くさいです。
ディストリビューターが純正品の場合は、イグナイター固定ビスの頭が6角のため狭いながらも工具が入るのですが、ディストリビューター社外品の場合、取付ビスが「ポジドライブ」のため工具が入りませんので、ディストリビューターASSYをエンジンから引き抜いてイグナイターを交換することになり非常に面倒なものとなります。
ところで、このイグナイターは、寿命が来ている場合が多いです。(ちょくちょくご注文いただいています)
部品としては小さいし、狭い場所でなければ出先で交換することも可能なのですが、ディストリビューターを引っこ抜く必要があり、出先で気軽に交換するという訳にはいきません。
そもそも、イグナイター内部は電子機器なのですが、このようにエンジン近くの熱い場所に設置されていること自体、無理があると言えなくもありません。
そのような訳で、ランドローバー愛好家さんの中には、交換がラクで、涼しい場所にイグナイターを移設している方もいらっしゃいます。
クラシックレンジローバー最終モデル(4.27リットル)、ディスカバリー1後期 V8(3.9/4.0リットル)にあっては、ディスビ脇から配線コードが伸びて、エンジンルームの隅っこの涼しい場所にイグナイターが付いています。
これは 「リモート式」(リモートタイプ) と呼ばれます。
つまり、ランドローバー社が正式に移設している、ということです。
クラシックレンジローバー最終モデル(4.27リットル)ならびにディスカバリー1後期 V8(3.9/4.0リットル)は、それ以前のエンジンと比較して、高出力になったとともにエンジンルーム内がものすごく熱くなったことにより、ディスビ脇にイグナイターを置くとすぐ故障したためと察せられます。
それ以前の1993年頃までのエンジン(3.9リットル)にあっても、イグナイターはできるだけ涼しい場所に置いたほうが長持ちしますので、リモート式にする(移設する)ことを強くお勧めさせていただきます。
以下では、その設置の様子をご紹介させていただきます。
滋賀県 T さま によるイグナイター移設の様子
クラシックレンジローバーV8の場合
- ディストリビューター脇のイグナイターを取り外す
- ディストリビューターの端子2本から延長コードを伸ばす
- ディストリビューターと延長コードの接続を確実なものとするために、アルミ板を加工して、ビス2本で固定する
- 延長コードを延ばして、エンジンルーム左側(フロント左タイヤ上)にイグナイターを設置する
- イグナイターの放熱のために、裏面に放熱板(ヒートシンク)を取り付ける
ディストリビューター脇に付いていたイグナイターを取り外し、端子2本から延長コードを伸ばす。接続部分は走行中に外れないようにしっかりと固定する。
※
ディストリビューター(ディスビ)周りは狭いので、ディスビを一度引き抜いてから、接続部分の加工をすることになります。
車齢が15年以上経てば、必ずディスビ不良が起きると思ったほうが無難ですので、今後の修理でディスビを引っこ抜いた際に加工する心づもりをするのが良いかもしれません。
Tさま、大変な力作であります。
情報提供ありがとうございます。
Tさんよりコメントをいただきました
お久しぶりです。
ホンマは古いCPUクーラーなんかあるとデッカイのが付けられてうまくするとファンまで付いていてもっと幸せになれると思うのですが、青いCPUクーラーはセレロン1Ghzあたりの骨董品用だったと思います。
もっとデカイ方がいいとは思いますけどね。
ただし、延長コネクターは自作品でコネクター部分をエポキシ樹脂で固めた上で削りだしたものなので耐熱性はあると思いますが耐久度はドナイなもんかとは思ってます。
予備を積んで走ってもらったほうがいいとおもいます。いつ抜けるかもわからんし(コラコラ)
茨城県 I 様 イグナイター移設
茨城県 I 様は、クラシックレンジローバーのエンジン始動後、1〜2時間すると突然エンジンが止まる症状があったとのことです。
イグナイター交換のついでに移設されたとのご連絡をいただきました。
全体写真です
ディストリビューターとの接続部分
イグナイターをイグニッションコイル付近に移設 イグナイターを2個付けて、出先で故障した際はカプラーを差し替えるだけでOKとしています。
イグナイター 上段がインタモーター製、下段がルーカス製
カプラーで簡単に差し替えできます
コンデンサーも延長して差し替え可能に
交換済みのコイルと古いコンデンサー
イグナイター取付ステーをボディアース
(舘脇注)
このページの下でご紹介しております、東京都 S 様 からのご指摘を受けまして I 様 に確認を取りましたところ、ボディアースしてあるとのことで上の画像をお送りいただきました。ありがとうございます。
詳しい状況としては、エンジンを1〜2時間ぐらいかけて走ると、突然ストールします。
走っていても、アイドリング時でも、同じで何の前兆もなく止まります、でオレンジランプが点灯です。
すぐにセルは回りますが爆発しません。10分くらい待つと再始動するのですが、また直ぐに止まります。
一晩くらい置いておくと、最初と同じくらい1〜2時間くらいは平気になります。
これを夏からダマシダマシ走っていて、原因はモジュール(舘脇註:イグナイターのこと)かと当たりをつけていました。
いよいよ頻発するので、ルーカスの新品モジュールに交換したが、同じ症状がでる。
困って舘脇さんに相談すると、ルーカスの信頼性が怪しいと言う事で、この検証になりました。
結果は、コンデンサーは新しいのに差し替えても治らない、モジュールを舘脇さんから購入したインタモーター製に差し替えると、症状が出ない! ヤッター大成功‼︎ 高速道路でも季節外れの暖冬日でも大丈夫、よかったよかった。
しばらくは予備として、モジュール2段構えとします。最悪止まっても差し替えれば、またしばらくは走れるので。
I さま、情報ありがとうございます。
ルーカス製のイグナイター(モジュール)は、I 様と同様な症状が頻発しましたので、取扱を停止しております。
その後、インターモーター製が確保できなくなりました。
ランドローバー純正品のみを扱うことも考えたのですが、純正品はそれなりに高価です。
選択肢は多いほうが良いかと思っておそるおそる、ルーカス製を仕入れてみたところ、おおむね良好でした。
2022年12月現在、「ランドローバー純正品」 と 「ルーカス製(社外品)」とを取り扱っています。
さて、ディストリビューター脇に付いているイグナイターは、出先での交換が非常に難しいため、移設しておくと安心です。
そして、出先での故障に供えて、スペアタイヤやファンベルトと同じく、イグナイターの予備をランドローバーに積んでおくのが良さそうであります。
(2016年1月12日 追記)
その後、インターモーター製イグナイターを取り付けた方から、エンジンが掛からない、エンジンは掛かるが調子悪いため、ルーカス製に戻して乗っているというご連絡をいただきました。
その後、お一人からはルーカス製でもインターモーター製でもどちらも調子よく走っているというご連絡をいただきました。
エンジン不調の原因がイグナイターにあるのか、他の部品との相性によるものなのかは不明につき原因調査中です。
(2021年5月11日追記)
現在、インターモーター製は供給が止まっており確保叶いません。
現在、ご用意できますのは 純正品 と ルーカス製 です。
※ランドローバー純正品はルーカス社が製造していますが 純正品 と 社外品(ルーカス製)とは、別モノです。
純正品とルーカス製以外のものは品質のばらつきがあり懲りたので取り扱いしておりません。
ほとんどの場合ルーカス製でOKですが、年に1、2台は、どうしても調子が出ずに、純正品を使ったら調子が良い車両があります。
ルーカス製(社外品)を購入 → 調子が出ない → 純正品を使ったら調子が出た
という場合、部品代の差額のみにてアップグレードさせていただいております。
東京都 S 様 イグナイター移設
S様もイグナイター移設を行われ、画像と文章をいただきましたのでご紹介させていただきます。
ディストリビューター脇に付いていたイグナイターモジュールをエンジンルーム内の涼しい場所に移設した
以下、S様からお寄せいただきました。
イグナイターの移設の件で、気になったことがありますのでご連絡致します。
デスビ側に接続する端子(ピックアップ信号)は2本のですが、ほかの方の移設方法を拝見するとピックアップ信号をこの2本だけでを延長されているようです。
実は、イグナイター側にはそのボディ(アルミの放熱部分)を通してアース(―)も通電しているので、本来はデスビからアース線も新たに引いて、移設したイグナイターのネジ穴にターミナル等で配線し放熱用のアルミボディ部分と導通することが必要に思われます。
まあ2本のコード延長だけでも、ボデイを通じてアース側もそれなりに導通はあるかと思いますが、ボディ側の取り付け部分の塗装が残っていたりすると、かなり怪しい状態ですよね。
一方、イグナイターのカプラーが繋がる方の端子は、3本(真ん中は使わない)あります。その一つの端子(―側)が放熱用のアルミボディ部分と導通はあります。しかしテスターで測定すると2オームほどの抵抗があります。つまり完全な短絡状態ではなく、この間に何らかの電子回路があるということです。トランジスター点火された信号はカプラー側のこの2本だけでコイル側に送られるわけですから、短絡だとコンデンサーの意味もなくなります。このことからもイグナイターのアルミボディ部分は、きちんとアースされている必要があるようです。
イグナイターのトラブルと直接関係はないかもしれませんが、自分のレンジのイグナイター移設の際に気になったのでご連絡差し上げた次第です。なにせ素人の経験談ですので、的外れでしたらお許し下さい。
(舘脇注)
このご指摘を受けまして I 様 に確認を取りましたところ、ボディアースしてあるとのことでした。
イグナイター移設キットにつきまして
イグナイター移設キットのアフターパーツ品を取り寄せてみたことがあるのですが、コネクター(カプラー)の作りがいまひとつで、取り扱いをやめました。
また、ランドローバー純正品(クラシックレンジ最終モデルやディスカバリー1後期に採用)は非常に高価で現実的ではありませんでした。
自作するのが 手っ取り早く かつ 安い です。
放熱板としては、ある程度の面積のあるアルミ板(平板)でも結構ですし、上記事例のようにヒートシンク(アルミ製のフィンが付いたもの)を使っても結構です。
イグナイターはこちらでご案内しています:
STC1184 イグナイター(モジュール)>
http://rangerover.morimori-forest.com/index.php?go=7V64R8
このページのURL
STC1184 イグナイター移設 クラシックレンジローバーV8
https://rangerover.morimori-forest.com/index.php?go=ynTgqv
お問合せ・ご注文は今すぐこちら