サスペンションを替えるとどうなるか BPJ
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サスペンションを替えるとどうなるか(ジャンプ)
2023年3月1日記す
さて、サスペンションを替えるとどうなるか、のビフォー・アフターの説明をしたいと思います。
以下は、ノーマルよりもかたいコイルスプリングをはめて、ショックアブソーバーは、オイル容量の多いものにした状態です。
ノーマルに毛の生えたようなものということで、ビフォーとご理解ください。
(ノーマルで同じことをするとクルマが壊れると思います)
0:08 宙を舞う 4輪が空中に
0:09 フロント着地 → リア着地 → バウンドして4輪が浮く
0:10 4輪が着地 → また浮く
このように、ジャンプ後、いちど着地してからバウンドして、また宙に浮いて、また着地する、というように、あたかも自由落下させたボールが地面にぶつかってまた跳ね上がるような挙動をします。
これはよろしくない。 (ビフォー)
ジャンプ後着地したときに一発でエネルギーを吸収して、なにごともなかったかのように、次の凸凹にサスペンションが対応する必要がある。
この後、レースマシン作りに携わる方から教えを請いました。
要約すると以下の通りです:
- ショックアブソーバーが着地のエネルギーを吸収しきれていない。
- サスペンションが底づきして、アクスルホーシングに感情があるとすると、かなり痛かったのではないか。
- エネルギーを吸収させるには、大容量のオイルが入っているショックアブソーバーを使うことで、運動エネルギーを熱に変換させて吸収する。
- オイル量が多いだけではだめで、クルマにあわせて減衰力を調整する必要がある。減衰力を調整するのは、ショックアブソーバー内部のバルブを組み替えて調整する。これを「バルビング」と呼んでいる。
- 大容量のオイルが入っているショックアブソーバーは具体的には、コイルオーバーサスペンション(コイルスプリングとショックアブソーバーが一体式)を使うか、あるいは、バイパスショック(オイル量の多いショックアブソーバーで、減衰力を細かく調整できる)を使う。オフロードマシンには通常、コイルオーバーとバイパスショックの両方を取り付けている。
- 着地の衝撃力を受け止めるために、大容量のバンプストッパー取り付ける。クラシックレンジローバーの場合、ゴム製のバンプストッパーが付いているが、これを大きなものに交換するか、あるいはオイルと窒素ガスを封入したバンプストッパー(短いショックアブソーバーのような形のもの)を取り付ける。
- ジャンプ時に空中でサスペンションが伸び切った際、プロペラシャフトの可動角度を超えて回転がカツッ!といきなり止まったり、あるいはまた、ショックアブソーバーが伸び切ってシャフト端でアクスルホーシングの重さを支えると傷むので、サスペンションの伸び側を規制する「リミットストラップ」を取り付ける。
- リミットストラップの材質は何でもいいというわけではなくて、サスペンションが伸び切った時にいきなりカツっ!と引っ張られると、空中でクルマの姿勢が変わり着地姿勢が変わってしまうので、ソフトに伸びて姿勢が変わらないような材質である必要がある。
- オフロードマシンとしては、前後左右の4輪のサスペンションストロークを伸ばすほうが良いと思われるが、それは走行速度領域による。トロフィートラック(エンジン出力1,000馬力、タイヤ直径39〜40インチ)のようにオフロードを時速100マイル以上(時速160キロ以上)で走るマシンの場合、リアサスペンションのストロークは1メートル程度あるが、そこまでスピードを出さないのならもっと短くてもOK。
- フロントのサスストロークを伸ばそうとするとステアリング(ハンドル)やホイールアライメント等で、いじり出すと面倒なことがたくさんあるのと、コーナリングでフロントが傾くと不安定になるので、あまり伸ばさずに、リアをめいっぱい伸ばすことで対応するほうがかんたんだし安定する。
- オフロード用サスペンションの標準(というか王道)は、コイルオーバー(コイルスプリングとショックアブソーバーの一体式)、バイパスショック、油圧バンプストッパー(オイルと窒素ガス入り)、リミットストラップ、の4点を付ける。(→ 予算の都合で、様子をみながら、順番に取り付けることにした)
- クラシックレンジローバーの場合、リアサスに「Aアーム」にセルフレベリングユニットが付いており、ストローク規制をしている。Aアームを取り外すことで、サスストロークが少しは伸びる。
- クラシックレンジのように柔らかいコイルスプリングの場合、積載時にリアが下がるのを補正するため、セルフレベリングユニットは良く考えられた装置ではあるが、レースマシンの場合は変動する荷物は燃料くらいなので、セルフレベリングユニットを取り外して、サスペンションのセッティングを出すほうが容易。
- リアサスストロークを伸ばす際、なんだったら、リアリンク(左右の棒)を長くすることも可能。フロントサスに較べれば、リアサスのストロークを伸ばすのは容易。その際、プロペラシャフトの首振り角度に気をつけて、いちばん縮んでいる時と伸びている時とで、プロペラシャフトがきちんと回転することを確認する。(首振り角度を超えるといきなり回転が止まって機械的によろしくない。たぶんどこかが壊れる)
ということで、一つづつ、やっていくことにしました。
(この項つづく)
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