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:2016年9月8日 2ドアレンジ訪問記(イギリス)

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2016年9月8日

2ドアレンジ訪問記(イギリス)


舘脇信王丸です。


本日のメールは、
この7月、2ドアレンジローバーを見学しにイギリスを訪問してしてきた
際のご報告です。

早いものでもう2ヶ月経とうとしています・・・ご報告が遅れて申し訳ありません。


以下、長いのでお時間のあるときにお読みください。


訪問記の前に、
ここ最近のクラシックレンジローバーを取り巻く状況についておさらいしたいと思います。

最近はクラシックレンジローバー(RRC)の人気が高まっていることを
実感します。

クラシックレンジをご購入された方々からお話しをお聞きする限りでは、
最も多いのがホイールベースの長いバンデンプラ(バンプラ 108インチ)
です。

リアシートの足元が広いのと、
標準タイプ(100インチ)と乗り較べると直進安定性が良いことから、
小さいお子さんをお持ちのご家庭の、センスの良い上品なファミリーカー
としてご購入されています。

次に人気なのが、標準タイプ(100インチ)のコイルサス仕様で、
お子さんが社会人となった方にとってはリアシートが狭くてもOKという
ことで100インチを、そしてエアサスの故障に懲りた人がコイルサス仕様を
ご購入されています。

そして、1970年デビューの2ドアレンジローバーについては、
数は少ないものの、お求めになられたりご希望の方が確実にいらっしゃい
ます。

2ドアレンジをご希望になる方は、バンプラ108インチまたは100インチ、
あるいは両方を経験した後に、2ドアに行き着くというわけです。

自分にとって最後のレンジローバーとして生きているうちに2ドアレンジに
乗っておきたいという、人生を賭けた望みです。

以上の通り、日本における2016年現在のクラシックレンジ市場は、
エントリーモデルがバンプラ、その次に1990〜93年の標準タイプのコイルサス、そして最後に2ドア、というヒエラルキーが形成されています。

しかし残念ながら2ドアレンジローバーは、
日本に於いてはごく僅かしかありません。

また錆びが進んでいる車両も多いようです。

そのため、程度が良い2ドアレンジの売り物はどのような状態なのかを、イギリスへ行って見てきました。


訪問日:2016年7月12日(火)
訪問先 ランドローバーセンター Land Rover Centre
    http://www.landrovercentre.com/


対応してくださったのは、
お店のナンバー2で店舗の実質的な最高責任者であるMARK(マーク)さんでした。

そこで得られた情報は以下の通りです。


以下、箇条書きにて。


1.
売り物の2ドアレンジは以下の2台がありました。

◎1976年式 バハマゴールド色
ものすごくきれい。錆びがない。
前オーナーが6年かけて部品交換したとのこと。ショールーム保管。

5,000マイル(8,000キロ) 75,000ポンド。

訪問当時、ちょうどEU離脱直後で大幅なポンド安になり日本円で1千百万円程度。

この車両は、錆びたボディを修復したものではなく、ほとんど乗らずに室内保管されたもの。


◎1972年式 深緑色

程度はまあまあ。もともと深緑色だったのが、
前オーナーがゴールド(バハマゴールドではなく本当の金色だったとの
とで、マークさんは呆れた身振りをした)に塗ったのを深緑色に塗り直した
もの。走行55,000マイル 金額50,000ポンド。


2.
電子制御の2ドアレンジはなかった。
4ドアになってからも並行して2ドアも製造販売されており、
電子制御V8エンジンの2ドアレンジが存在するのだが、
彼はその存在を知らないようだった。

いえいえ存在するんですよと力説しようとも思ったが、
初対面の彼に、今後の友好関係を築くうえでここで言い争ってもしょうがないと思いそれ以上は話さなかった。


3.
このお店には、世界中から注文が来るとのことで、
欲しい人は10万ポンドでも5万ポンドでも関係ない、という発言があった。

売り急いではいない模様。

というより、このような極上の2ドアはお店の看板車両という意味も
あるはずなので売れたら売れたで困るのかもしれない。また、車両価格は全体的に日本のほうが安い印象を受けた。


4.
ここには、RRCの他にシリーズ物も沢山置いてあり、
下回りを覗いてみたが、すべてにおいて錆びの進行はほとんどなかった。
商売としてみれば、サビサビの車両を人件費を掛けてレストアするよりも、そもそも錆びていない車両を高価格帯で取引するのが正解と思った。


5.
彼の認識では標準100インチに較べてバンプラ108インチは2倍故障する。
その理由は、エアサス故障に加え、製造台数が少ないため製造や組立ラインの手作業の未習熟の問題というようなことを言っていたと思われる(筆者の解釈が含まれます)。


6.
現在、クラシックレンジローバーの電動ブレーキポンプASSYが
供給終了しているがどうしてますかと質問した。

私はセカンドレンジ用のモーター単体と圧力スイッチ単体を取り寄せて
いますと言ったら、うんと頷いてそれで修理できているとの回答。


7.
お店にセカンドレンジローバーがあったので、
どうですかと聞いたら、新しいうちは良かったが電子制御が多いので
年数を経た今となっては修理が大変とのこと。

日本でも、セカンドレンジのワーニングランプ点灯や修理で困った話しは
よく聞くので、やはりそうかと納得した。


8.
クラシックレンジの電子制御V8エンジンを
キャブレータ化しようと思っていますと言ったところ、
電子制御のV8は、カムシャフトがキャブ仕様と異なるので、
キャブレターにしても調子が出ない、電子制御を復活させる方向で
修理すべきと言われた。

キャブにしたらエンジンが壊れますかと聞いたら、
壊れはしないが調子わるいエンジンにしかならないと。

電子制御エンジンは圧縮比が高いことが関係していますかと聞いてみたが、
同意しなかったので圧縮比の話ではない模様。

マークさんは説明の際に、ハンドルを握った身振りで調子わる~〜〜い
という意味を伝えてくれた。

言いたいのは、エンジンのパフォーマンスが十分に発揮できない
(出力が下がる)と言うことのよう。

後にわかったことは、例えば3.5リットルV8エンジンの場合は、
キャブレターのエンジンは作用角が280度に対し、
電子制御(EFI)の作用角は256度。


9.シリーズ物の4輪クローラー仕様があった。
マークさん所有。ホイールナットを緩めれば普通のタイヤに交換できる。
このランドローバーはイベントに出展するのですか、と聞いたら、
そう、それしか使い道はない(笑)と。


10.映画『ジャッジ・ドレッド』(シルベスター スタローン主演)に
使ったハリボテ車両が1台あった。
この車両はFC101(フォワードコントロール)のボディを外して、
FRP製のハリボテを載せたもの。


11.近くのお勧めの宿を紹介していただけますかとお願いしたら、
しばらく電話して探してくれたが、近所の宿は地元の大学の行事のため
予約でいっぱいとのことで、クルマで15分位の宿を案内してくれた。

宿まで彼がお送りしますと紹介されたのは、
恰幅のよい紳士。サードレンジローバーに乗ってくださいと言われた。

この時点では、このお店の常連さんがたまたま宿の近くを通るので
便乗させていただけるものと思っていた。


12.深くお礼をしつつサードレンジの助手席に生まれて初めて
乗り込むことになった。イグニッションキーをオンにすると同時に
大音響のクラッシック音楽に包まれたが、すぐに音量を下げてくれた。

こういう新しいレンジローバーに乗るような人は故障の前兆となる
異音に耳をそばだてることなく、平気で大音量で音楽を楽しむのか〜〜〜 そうなんだ〜〜 と思った。


13.車内でたどたどしい英語で会話していてわかったのは、
運転してくれているのがこのお店の創始者でありオーナーである
ペーター(Peter)さんだった。

(そういえばこのひと、ホームページで見たことある! 爆)

ペーターさんは1968年にこのお店を創業し、
当時はシリーズ2、2A と自分で修理をしていた。
現在は現場から離れており、ときどき店に顔を出す程度とのこと。


14.久々にイギリスを訪れて驚いたのは、
街で見かけるランドローバーが全て新しい年式で、
古いシリーズ物はもちろん、クラシックレンジ、ディスカバリー1すら
1台も見ることはなかった、と伝えた。

ペーターさんは、そうそう、古いランドローバーは私(の店)が
集めている、と答えた。

あなた様はダイソン(イギリスの掃除機)のように
イギリス中の古いランドローバーを吸い集めているのですね、
と言ったら爆笑してくれた。


15.このサードレンジはコンピューター満載で、
私にはさっぱりわからないのですが、
修理はどうされていますかと聞いたら、
静かに笑いながら親指を後ろに向けた。つまり自分の店に修理に出すと。

なんのことはない、マークさんが苦労して修理する訳で、ここにおいて、
レンジローバーの故障に対する、「オーナー」と「現場で額(ひたい)に汗して手を動かす人」との認識の差が、この2名により見事に表現された。

ペーターさんご自身もコンピューター制御はさっぱりわからないとのこと。


16.このサードレンジローバーは静かでスムーズ 、
クラシックレンジローバーの次に良いクルマですねと
リップサービスしておいた(笑)。


17.修理中のシリーズ物のランドローバーもあったが、
錆びたシャシやボディを穴塞ぎするような「レストア」と
表現される修理はしておらず、程度の良いランドローバーをいじっていた。

クタクタ、サビサビの車両を扱っても利益にならない。

つまりレストアに掛かる工数を正直に上乗せしたら非常に
高価になってしまう。

商売の原理原則としては、程度の良いランドローバーを少しの手間で
高価格帯で販売するのが鉄則ということを、イギリスに於いて再確認した
次第です。


18.逆にいえば、素人(趣味で取り組むひと)は、
プロ(生計を立てる人)には到底成し得ない領域に到達することが可能
なので、いわばシロウトの恐ろしさ全開で「作品」を創り込むことも、
ランドローバーライフの大いなる楽しみだろうと思います。


以上、ご報告させていただきます。


——


■今後の予定


9月は無休にて営業します。


10月下旬に、イギリス出張をする予定です。
行き先は決まっていませんが、行けるときに行って情報収集をしようと思っています。

行ってみたい場所や、行って見てきて欲しい、という場所やモノがあれば、
このメールを返信するかたちでご連絡ください。


——


事務所 電話 0256-45-4538 にかけても出ない場合は、

携帯 080-4126-8869 にお掛けください。

※事務所と自宅は圏外ですので、

 0256-45-4538 を先に掛けて、でなければ

 080-4126-8869 にお願いします。


本日のご連絡は以上となります。


またメールしますね。


舘脇信王丸



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