:2017年9月2日 オーバーヒート対策
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2017年9月2日
オーバーヒート対策 ９月国内出張のご連絡
このメールは BPJ【英国四輪】
http://rangerover.morimori-forest.com
をご利用いただいているランドローバー愛好家さまと修理業者さまにお送りしています。
舘脇信王丸です。
お盆の連休は楽しくお過ごしでしたでしょうか。
毎年のことですが、お盆は暑かったため
オーバーヒートしそうになった方もいらっしゃるかと存じます。
当店もお盆期間中に
ラジエターエキパンタンクを数日間にわたり、ほぼ毎日発送させていただきました。
これから気温が下がってくるとはいえ、
特にローバーV8エンジンは冷却システムに不具合が生じると
あっという間に熱くなります。
（ただでさえ原動機型式 36D（3.9リットル） と 40D（4.27リットル は、38D（3.9リットル） に較べてすぐ熱くなるのですが、エンジンルーム内はチンチンに加熱され、その排熱たるやすざまじいものがあります・・）
オーバーヒートによりヘッドが歪んだり、
40D（4.27リットル）では冷却水が高温になり過ぎると、
シリンダーライナー（ピストンリングが接する円筒）が数ミリ脱落し、
燃焼室に冷却水が入り込みます。
このような状態になったエンジンの実物を
５月に訪問したイギリスのローバーV8エンジン専門店で
見せてもらいましたが、通常、ピストンの上面には乾いたカーボンが
こびりついてなかなか取れないのに対し、水が入ったピストンの上面はしっとりしていて、ウエスで一拭きすると非常にキレイなアルミ地肌がでてきたのです！
・・もちろん、キレイだからといって安心していてはいけなくて、
シリンダーライナーの打ち替え修理が必要です。
上部にツバの付いたシリンダーライナーを使うとのことでした。
以上は、イギリスで実物を見せてもらった話しですが、
その後、日本のメカニック様から、同じ状態になったというお電話をいただきました。
（お金が掛かるので修理はせずにエンジンを載せ替えたいとのことでした）
エンジンの個体は年々減る一方ですので、大事に取り扱いたいものであります。。
話を戻して、
今乗っているランドローバーをこの先も乗り続ける
（あと30〜40年は乗り続けたいものです）には、
然るべきタイミングで分解掃除（オーバーホール）を行うにしても、
できるだけ余計な手間を掛けないで済めば費用が安く済みます。
これまでに実際にあったオーバーヒートの原因と対策は以下の通りです。
■ラジエタープラグ
純正品は黒色樹脂製。
経年劣化により走行中にプラグの上半分がちぎれて飛ぶ。
ラジエター内は加圧状態につき、ラジエタープラグがちぎれると冷却水が溢れ出す。
水温計がみるみる上がっていき、オーバーヒートに至る。
現在、以下の種類が確保可能。
・純正品 黒色樹脂製 在庫あり
・社外品 真鍮製 在庫あり ←これ以外の金属製もあるが、これでOK
・社外品 黒色樹脂製 在庫あり
・社外品 アルミ製 ←お取り寄せ
・社外品 真鍮製（ヘキサゴンレンチを使う） ←お取り寄せ
ERR4686 ラジエタープラグ
http://rangerover.morimori-forest.com/index.php?go=dG8xqw
■ラジエターエキパンタンク
1980年代後半迄は真鍮製だったが、後に樹脂製の最中（もなか）構造になった。その最中（もなか）構造のつなぎ目から漏れる。
ラジエター本体同様、エキパンタンクも加圧状態につき、漏れ出すとどんどん冷却液が失われる。
エキパンタンクはこれまでに樹脂製で５種類が確認されている。
・純正品：黒色、乳白色 （現在は乳白色）
・社外品：乳白色、半透明、黒色 （現在は黒色）
なお、新車当時ついていた「純正品 黒色」と、
いま流通している「社外品 黒色」とは、作りのタッチ（質感）が異なるため別の部品。
見た感じとしては、樹脂製の中では、現在の「社外品 黒色」が作りとして最も安心できそう。
ちなみに、「社外品 半透明」タイプは、細い方のパイプ内側のバリが通路をふさいでおり、私が１つづつドリルを差し込んでバリを除去していた。
現在の 社外品 黒色 は、念のためにドリルを差し込んで点検しているが、通路内のバリは皆無。
PCF101590 ラジエターエクスパンションタンク
http://rangerover.morimori-forest.com/index.php?go=y3ybUJ
■ラジエター本体
走行中に水温計が右に大きく振れる場合、ラジエター本体の詰まりが懸念される。
ラジエターが詰まっているかどうかを調べるのは実はそう簡単ではなく、
たとえばラジエターを取り外して上から水道水で水を入れて下からジャブジャブ出るからといって詰まっていないとは言えない。
というのは、ラジエターのコア（細かい通路）が塞がっていても、
左右両脇の太い通路から水が上から下に落ちるため。
一つの確認方法としては、
エンジンを掛けて水温計が H（右側）に振れている状態で、
非接触式のデジタル温度計でラジエター表面の温度分布を調べる。
※デジタル温度計は「非接触 温度計」と検索すると出てきます。
ラジエター表面の温度にムラがあれば、水がコアを均一に流れていないと言える。
なお、ラジエター本体は、純正品は高価、社外品は作りにばらつきがあり、
また純正、社外ともに輸送中の破損トラブルもあるため、日本国内での「コア交換」をお勧めしています。品質・価格の両面から日本国内でのコア交換が最善策です。
■電動ファン（コンデンサーファン）
電動ファンは、エアコンのスイッチをオンにした時や水温が上がると回るようになっている。（年式により制御方法は異なります）
しかしこの夏、モーターに電気がいかない、というお問い合わせを数件頂きました。
こうも毎年猛暑が続けば、出先での故障でオーバーヒートしてはかなわないので、手動で電動ファンを回しっぱなしにするスイッチを取り付ける（配線をひく）対策が有効なのではないかと思われます。
機械の自動制御に頼らずに、
運転手自らが確実にマニュアル操作するという
「安全サイドに立った設計の見直し」という意味です。
以上となります。
マイカーたるランドローバーは、
オーナー自身の管理下において100％コントロールできますので、
オーバーヒート対策としての「冷却」と「電源」について、
万全な危機管理を実行したいものであります。
来週末、出張とさせていただきます。
■■■ ９月８日（金）〜１１日（月）国内出張 ■■■
９月８日（金）〜１１日（月）のあいだ
「かしわざきオフロードフェスティバル」参加のため出張とさせていただきます。
・在庫のある部品は７日（木）迄にご連絡いただければ即日発送します。
・出張中のお問合せ・ご注文の回答は１２日（火）以降とさせていただきます。
何卒よろしくお願いいたします。
■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■
日本海の浜辺にクラシックレンジローバー 1990年式 を持ち込む予定です。
◎◎◎ BPJ【英国四輪】電話サービス ◎◎◎
BPJ 【英国四輪】では電話対応もさせていただいています。
『メールだと非常に長くなるし伝わりにくい・・・』
そんな時は遠慮なく電話ください。
事務所 電話 0256-45-4538
電話がつながらない場合は、
携帯 080-4126-8869 にお掛けください。
※事務所と自宅は圏外ですので、
0256-45-4538 を先に掛けてみて、つながらなければ
080-4126-8869 にお願いします。
※ランドローバーの性能・部品試験中は電話に出られません
（山中につき携帯通じません）
その場合は、電話ご希望日時をメールにてご連絡ください。
メール nob@morimori-forest.com 舘脇信王丸
本日のご連絡は以上となります。
またメールしますね。
舘脇信王丸
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