燃料携行缶(ガソリン携行缶)につきまして
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2023年4月29日
燃料携行缶(ガソリン携行缶)につきまして
ランドローバーV8エンジンは燃費がよろしくないこともあり、予備タンクとしてガソリン携行缶を車載する方もいらっしゃると思います。
過去には、ジェリカン(ジェリ缶 JERRY CAN)を愛用してきました。
ジェリカンとはこのような形の燃料タンクです。
ジェリカン(10リットル 鉄製)です
口をあけて、このような給油ノズル(スポウト)を取り付けます
ジェリカンにスポウト(給油ノズル)を取り付けた状態です
上の写真は10リットル入りですが、20リットル入りもあります。
10リットルあれば、50キロ程度以上はアスファルトを走れますので、常に車載しておくのにじゅうぶんな量で、背丈が低いために倒れにくく、重宝していました・・・過去のはなしです。
近年、法律が厳しくなり、ガソリンスタンドではジェリ缶にガソリンを入れてもらえなくなりました。
ガソリンスタンドで携行缶にガソリンを入れてもらうには『試験確認済証』のシールが必要です
以下、要旨です。
・ガソリンの給油が認められている容器は、性能試験に合格した22リットル以下の密閉できる金属性容器
・性能試験を合格した容器には必ず『試験確認済証』のシールが貼られている
・このシールが貼られていない場合は給油できない
当店が英国より仕入れるジェリカンには『試験確認済証』のシールは貼られていませんので、ガソリンスタンドでガソリンを入れてもらえません。
このため、国内で販売されているガソリン携行缶を買うことにしました。
以下の写真は、私が実際に買ったガソリン携行缶です。
国内で販売されているステンレス製ガソリン携行缶です
オフロードレース参加に伴い、燃費のわるいレースマシンに給油する必要から、とりあえず4本買いました。
(ローバーV8エンジンは高回転を維持して一生懸命に走るとリッター1キロ台になることもあります)
ステンレス製で錆びに強いです
写真左側の大きいフタが給油口、右側の小さいフタがエア抜きです。
付属のスポウト(給油ノズル)は、燃料タンク内におさまります
スポウトがタンク内に収納されるのは、持ち忘れがないので便利ではありますが、引っ張り出せば当然のこととして、ノズル外側もガソリンで濡れています。
晴れた日には、オフロードレース会場は砂塵が舞い上がり、ノズル外側にびっしりと汚れが付きますので、もはやタンク内に収納はしたくない、ことになります。
レース途中から回転が上がらなくなるマシンがたまに出ますが、その理由の一つとして燃料フィルターの詰まりがあります。
レースマシンは、リッター1キロ台というのはざらにありますので、走行距離が短いわりには燃料フィルターを通るガソリンの量が多いのと、給油中に砂塵・ゴミが入りやすいのとで、燃料フィルターが詰まりやすい状況にあります。
結局、スポウトを戻さずに外に出して保管することになり、これまでのジェリカンスポウトと同じ保管の仕方(スポウトをウエスで包んで缶または袋に収納)をしています。
試験確認済証のシールが貼られています
スポウト(ノズル)取付部にはオーリングが入っていて、漏れることがありません
スポウトには、アミが付いていて米粒サイズのゴミはここで止まります
ノズルは細いですが速く出ます
半透明のノズルは細いですがジェリカンよりもたくさん出ます
この白色半透明スポウトの直径はジェリカンのスポウトよりも細いのですが、給油スピードは、ジェリカンよりも明らかに早いです。
ジェリカンの場合は、口が1ヶ所だけで、出口の上のほうにエア抜き通路がある構造で、給油中に息継ぎをします。
また、ジェリカンの場合、タンク内にエアが入る通路として、スポウトの上のほうに小さい穴があいているのですが、その穴からガソリンが出ることもあり、給油中は、どうしてもガソリンがこぼれてしまいます。
このタンクの場合は、給油口の反対側(給油中は一番高い位置)にエア抜きフタがあり、それを完全に取り外すと、ジェリカンよりも速く給油ができました。
また、エア抜きフタの位置は、給油中にガソリンが出ない場所にあるため、ジェリカンのように、給油中にこぼれることが皆無です。文字通り、一滴もこぼさずに給油できます。
フタはねじ込み式です
フタにはオーリングがはまっています
給油口、エア抜きともに、オーリングがはまっており、倒しても漏れないのは当然のこととして、劣化した場合、オーリングを交換することで、半永久的に使えるものと、期待しています。
過去に、ジェリカンの「ちょうつがい式のフタ」の開閉の仕方がわからない人がいじって変形させられたことがあります。
また、ジェリカンの「ちょうつがい式フタ」は、外気温変化によって、タンク内が加圧されていると吹き出たり、逆に負圧の場合はフタが開かない、ということがありました。
かなりの力(ちから)を入れてもフタが開かないことがあり、その時は往生しました。(プライヤーを使って開けましたが、ひと手間掛かりました)
その点、ねじ込み式のフタは、誰もが直感的に理解できる構造で、しかも回すのは誰でもできるため、総合的にみて、このねじ込み式フタの携行缶のほうが性能が良いと実感しています。
このような形の携行缶は、日本国内にいくつかのブランドが販売しており、寸法が微妙に異なります(成形金型の寸法がいくつかある、ということは、製造工場もいくつかある、ということになります)。
軽油(ディーゼル車)の場合はジェリカンが使えます
試験確認済証のシールは、ガソリンをガソリンスタンドで入れてもらう際に必須であって、軽油(ディーゼル燃料)の場合は、不要です。
したがって、軽油を燃料とする200TDI、300TDI、TD5等のエンジン搭載車両の場合は、引き続き、これまで通り、ジェリカンをご利用いただけます。
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