【質問】アッパーテールゲートの閉まりが悪い
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2023年6月26日
【質問】アッパーテールゲートの閉まりが悪い
クラシックレンジローバーのアッパーテールゲートをアルミ製社外品に交換されたというオーナー様よりご質問をいただきました。
ここで言及されているアッパーテールゲート社外品は当店販売品ではありません。
ただ、かりに当店販売品であったとしても、同様な症状が出る可能性は高いです。
Q.
ご質問の内容を箇条書きにします:
- アッパーテールゲートをアルミ製の社外品(ハイマウントストップランプ無し)に交換したら、異常な程に閉まりが悪い。
- 数回試みて左右どちらか片側だけ閉まる事がほとんど。何度も試みてなんとか両側共閉まる。
- その場合でも引っ張れば右側が外れる事が多々ある。
- 社外品にて純正品と比べると精度が悪く仕方ない事と言われた。
- 実際のところはどうなのでしょうか。
- 精度にムラがあり当方の物は運悪くそれ相当の低い精度の物という事なのか。
- 他に何らかの原因があるのか。
- 新たな同一テールゲートに交換したなら問題改善されるのか。
以上がご質問です。
以下、回答します。
A.
文面を拝読させていただき、うんうんと頷きながら読み進めさせていただきました。
おっしゃるとおり、アッパーテールゲート社外品に交換後、閉まりが悪いことはよくお聞きします。
・閉めても片側しかロックしない
・走行中に開く
ということは、よくあります。
このことは、当店販売のアッパーテールゲートでも同様です。
アッパーテールゲートを横からみて、歪みがなければ、アッパーテールゲート本体の歪みが原因というよりも、
- ラッチとストライカーとの位置関係が良くない
- ラッチ(アッパーテールゲート側)にガタがある
- ストライカー(ピラー側)が摩耗している
- テールゲート開口部にはまっているゴム枠(グレージングラバー)の当たりがきつい
が原因のことが多いです。
ラッチ(アッパーテールゲート側)とストライカー(最終ピラー側)との位置関係がよくないことが原因につき、ストライカーの位置調整をするわけですが、この微調整が非常に難しいです。
調整して、ヨシッと思って納車とおもって、オーナーさんに取りに来ていただいたその帰路の途中でまた開いたというお声をお聞きすることはよくあります。
また、ストライカーの位置調整ではダメだったので、ストライカーを溶接肉盛りして研磨して調整した車両もお聞きしたことがあります。(オーナーさんによれば、完全には解決してはいないとお聞きしました)
で、アッパーテールゲートラッチを交換してみる業者さまもいらっしゃいます。
アッパーテールゲートラッチ クラシックレンジローバー
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このラッチにガタがあったために走行中に開いていた場合は、交換してガタが少なくなって開かなくなればラッキーですが、交換しても改善しない場合もあります。
ことほどかように、アッパーテールゲートは、難しいです。
なお、ご存知とは思いますが、アッパーテールゲートの中央ハンドルを持ってバタンッと締めると、ガラス枠下辺が弓なりに変形し、ますます閉まりがわるくなります。
変形しないようにするには、ガラス下辺両端(下の方の両カド)に両手の手のひらを当てて、左右同時に、押し付けます。つまり両手を使って閉めます。
また、テールゲート開口部にはまっているゴム(グレージングラバー)は、純正品の断面形状は四角形でしたが供給終了して、現在は社外品しか確保できないわけですが、社外品の断面形状は丸形で、これを取り付けると、アッパーテールゲートはなかなか閉まりません。
結局、アッパーテールゲートを締め切ったままにして『開かずの扉』にして乗っていらっしゃる方もいらっしゃいます。
以上の回答後、お礼とともに追加のご質問をいただきました。
Q.
- この後は、先ずはラッチを交換してみるか、元々ついていたオリジナルのテールゲートに戻すか、という選択肢でしょうか。
- オリジナルのゲートはけっこう錆があったのでアルミ製に交換したのですが、このような難関が待ち受けているとはつゆ知らずというところです。
- 錆有れどオリジナルに戻した方が良いとの事も耳にするが如何したものやらと。
如何お考えになりますでしょう。
以下、回答させていただきました。
A.
ラッチを交換してみるか、元々ついていたオリジナルのテールゲートに戻すか、については、おっしゃる通り、選択肢としては両方ありえます。
ただ、元々ついていたオリジナルのテールゲートに戻す、という選択肢は、枠の錆びの状況によります。
例えば、過去にご縁のあったクラシックレンジローバーのアッパーテールゲートは、開閉するたびに錆びがボロボロ落ちて、しまいには下辺の枠が剥がれたこともありました。
修理工場様(メカニック様)によっては、丁寧に枠を外して、鉄の部材を加工してレストア(復元)したものを拝見したことがありますが、かなり手間だったろうと察しました。
多くの場合、アルミ製社外品に交換して、あとは、
・両手を使って丁寧にしめる
・さまざまな修理工場様に相談する
・あかずの扉にする
の選択肢のどれかを選んでいらっしゃるようです。
もし、私じしんならばどうするかというと、以下の通りです。
ラッチが両方ともうまくひっかからない理由は、テールゲート開口部にはまっているゴム枠(グレージングラバー)が社外品になっている可能性があります。
社外品の断面形状は丸形で、アッパーテールゲートの閉まりがわるいです
いま付いているものの断面形状が四角形ならば純正品ですが、上の写真のように断面形状が丸形(=社外品)の場合は、閉まりが悪いです。
社外品の場合は、丸形がつぶれるまで、しばらく閉めっぱなしにして、潰れるのを待ちます。
1年位〜経過すれば少しはつぶれるはずです。
また、シールを大きくつぶさなくてもラッチが掛かる位置に、ストライカーを調整します。
次に、走行中に外れる場合は、ラッチにガタがあって、路面の継ぎ目のショックでラッチが開いてしまう可能性があります。
その際、ためしに、左右のラッチを交換して様子をみます。
もし、それでもだめならば、機会をみつけては、ランドローバー専門店さんを訪問して、相談してみるのも手です。
クラシックレンジローバーというクルマは、たんに移動のための機械(マシン)ではなく、人と人とをつないだり、人生に彩り、味わいを与えてくれるクルマだと思いますので、アッパーテールゲートがうまくしまらない、勝手に開く、という経験を通じて、さまざまな方々との交流の機会を与えてくれたのだとも、思えます。
楽しく充実したクラシックレンジローバーライフをお祈りいたします!
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